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2025/11/30 10:49



沖縄は海風が心地よく、早朝の散歩が楽しい季節になりました。背高く育ったサトウキビは、収穫を待つばかりに風に揺れています。先週までポンポンと咲いていたアサガオの花も役目を終え、ふくらんだ実は、やがて弾けて種を送り出すのでしょう。
さまざまな植物が絡み合い、どっさりとした緑の壁をつくっていました。




花が終わり、実が生まれ、種を残す――この季節もまた大好きです。緑の実はやがて赤や黒に染まり、鳥や虫が食べることで遠くへ運ばれ、次の命へとつながっていきます。葉は虫に食べられ穴が空いても枯れることなく、蔓をぐっと伸ばし、これから育つ小さな若葉を守るように重なり合っていました。




ボロボロになった葉も、どこか“ソルジャー”のように見えました。傷を負いながらも実や若葉を守り抜く、その姿が胸を打ちました。
その葉をガラスに焼き付けたい――そう思ったのが今回の作品づくりの始まりです。




重ね焼きを繰り返し、生き抜いた葉の穴や擦れた質感、葉脈だけになった姿までも焼き留めた、アサガオの茂りを表現しました。



特大の大皿に仕上げ、紫と白をマーブル状に重ねて彩り、ところどころ透けるガラスの板に焼き付けています。中央を境に、下から上へ伸びる蔓と、上から下へ垂れる蔓を向かい合わせるように配置しました。
擦れたような葉や穴が空いて葉脈だけ焼き付いた葉など、戦い生き抜いた姿に見えました。



背景から光を当てると、生命の炎のようなゆらぎが立ち上るように見えます。傷つきながらも次の命へつなぐアサガオの葉の姿は、この季節の植物たちが持つ力強さそのものです。
名も知らない草花にも、きっと新しい感動が潜んでいるのだと思います。お散歩やご帰宅の途中、小さな発見を探してみてはいかがでしょうか。

【展示会情報】
会期:12月2日~12月21日 (入場無料)
場所:沖縄科学技術大学院大学(OIST)トンネルギャラリー横

「夜のブーゲンビリア」「秋のアサガオ」を展示しています。どうぞご覧ください。

次回は、展開会の様子をご案内致します。


お越し頂き、どうもありがとうございました。




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