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2026/09/19 17:49



第3回 一枚の葉を、ガラスに残す


前回は、採取した葉を一枚ずつ洗い、作品に使うために整えるところまでをご紹介しました。

今回ご紹介するのは、その葉の一枚がガラス作品になるまでです。

使うのは、糸満市米須菩提樹苑で自然に落ちた菩提樹の葉です。

一枚一枚には、虫食いや欠け、色の変化が残っています。

枝を離れた葉は、やがて少しずつ分解へ向かっていきます。




一枚ずつ、葉を見る

「なぜ、枯れた葉をガラスに焼き付けているのですか?」

「標本のように美しいままの葉を焼き付けて残さないのか?」

それは、虫に食べられたり風雨に痛んだりした時間をそのまま焼き残したいと考えているからです。

今回選んだのは、この一枚です。すごくカッコいい!と思いました。




虫に食べられた菩提樹の葉

片側は大きく虫に食べられています。けれど、その欠け方も、残った葉脈も、この葉がそこまで過ごしてきた中で生まれた形です。

元の整った葉を想像して補うのではなく、分解へ向かっている、その途中の姿をそのまま使います。

そして、この葉を写真に写して残すのではなく、本物の葉そのものをガラスに焼き付けます。




窯の中で焼成する


葉に溶剤を塗った菩提樹の葉をガラスの下に置いて、ゆっくり焼成します。
窯を開けると、植物そのものは焼成によって姿を変えています。

それでもガラスには、細かな葉脈や虫食いの輪郭、この一枚にしかない形が残っています。

自然の中ではそのまま分解され、やがて見えなくなっていく葉。

私は、その変化の途中にある姿を、透明なガラスという素材へ残したかったからです。


表面に残った葉の繊維を取り除く


焼成後、ガラスの表面に残った葉の繊維を少しずつ取り除いていきます。

葉の形を確かめながら、表面を整えていく作業です。

繊維を取り除いていくと、ガラスに残った葉の痕跡が少しずつ見えてきます。

焼成後のガラスには、葉の繊維が残っています。
それを少しずつ取り除くと、焼成前に見ていた葉の輪郭や葉脈が、焼き付いたガラスの表面に現れてきます。

描き足して形を作るのではなく、一枚の葉がガラスに残したものを見えるようにしていく。

発掘したようなワクワク、ドキドキする瞬間です。


額に収める


整えたガラスを深さ5㎝の額に収め、作品として仕上げます。
背面に、分解途中の菩提樹の葉が、影として映ります。
それは、進みゆく時間と留まる時間を見ることができる、作品です。

こうして焼き上がった作品を30点作りました。詳しく次回でご紹介したいと思います。


どうもありがとうございました。



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