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2025/04/13 14:27

体調のメンテナンスと作品の種まき

アメリカフロウが焼き上がりました。
ゴールドに輝く植物が美しく映えるように、試作を重ねています。
この作品が、新しいシリーズへと繋がっていくのか――楽しみです^^

新年度からGWまでは「整える」時間

皆さんには、毎年この時期に行っているルーティーンはありますか?
私は、4月の新年度から5月のゴールデンウィークまでを「課題の見直しと改善」、そして「機材のメンテナンス」や「新作の試作」にあてています。

「課題の見直しと改善」とは、昨年の制作で失敗した点や、効率の悪かった工程を振り返り、少しずつ整えていく時間です。



色材の調整とサンプル焼成

こちらは、SUMIやHAKUの色味を“いい感じ”に仕上げるための、サンプル焼成の様子。
私が使っているガラスの色材は、ドイツのメーカー「Optul(オピュテュール)」のものです。
入荷時によって、成分が微妙に変わることがあるため、色サンプルを焼いてガラス色材の割合を調整しています。

メーカーさんから「人の手で作るものですから、絶対はありませんよ」と言われたとき、思わず「そうですね」とうなずいてしまう気弱な私は…念のため毎回、データを取るようにしています。
「不明な失敗を防ぐための、小さな対策」。これが案外、大きな安心につながるんですよね。


工房と身体のメンテナンス

機材のメンテナンスも大切な作業です。
ニクロム線を張り替えたり、ガラスを磨く板やカッターの刃を交換したり――。
できる範囲で、少しずつ整えていきます。

作業中は、防塵マスクの下に布マスクを重ね、保護メガネとゴム手袋を装着。
ニッパーやドライバーを片手に作業していると、タイミング悪く配達業者さんが来ることも(笑)。
それでも笑顔で対応してくれる配達員さん、本当にプロだなぁと感心します。





新作サンプルと、作品の“種”

課題の改善と並行して、新作のサンプル制作にも取り組んでいます。
アイディアが形になるか。失敗から生まれた“ひらめき”が、新しい作品の“種”になるか。
あれこれ浮かぶ構想の中から、設計図を描き、焼成プログラムを組んで、心がときめくものを選び出します。

この写真は、まさにその「ときめく種」を焼成しようとしている瞬間。
これが作品として芽吹いてくれるよう、祈りながらの作業です。

この時期の私は、印刷ミスした紙の裏に鉛筆で描いた設計ラフや、サンプル結果を書き込んだ日報ノートを抱えて工房内をウロウロ。
ときどき防護マスクと保護メガネ姿で現れるので、ちょっと怪しく見えるかもしれません(笑)。


最後にひとこと

そんなこんなの、春の工房の風景。
裏側の姿も、こうして時々お届けしていけたらと思っています。

皆さんも年度の変わり目、どうかお体を大切にしてくださいね。
読んでくださって、ありがとうございました。

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