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2021/03/03 10:00
植物化石のリアル感を追ってみました
もし「ガラスの地層」というものが存在して、植物化石として発掘されたらどんなに素敵だろうかと思います。
しかしながら、何千年と過ぎればガラス素材が変化して石化したり白くなったりと透明ではなくなるので、難しいですね。
ガラス地層に何千年も眠っている植物があったら、と想像しながら作るわけです。
SUMI10はその大好きな植物化石の、葉肉や葉脈を手触り感も楽しめるほどのリアル感を大切にしました。
枯れ葉は想像させるアイテム
風雨が過ぎ去った朝に拾った枯れ葉を見ながら、釉薬を塗る準備をします。
潮焼けした所や虫に食べられて穴が開いている部分を見ながら思います。
環境による造形物である枯れ葉は、どんな記憶を残しているのだろうかと。
そして、青々しい葉の仲間たちに何を伝え残して散ってしまったのかと。
海風が強い遊歩道なので、海水を浴びてなおも耐える姿を想像します。
海底に沈んだ化石植物のようなSUMI10
焼き上がったSUMI10は、どこか海底を思いださせる仕上がりになりました。
葉は植物の様でサンゴの様で、墨色のガラス皿は、海底に沈んでいたかのような斑紋(はんもん)が浮かび上がっています。
何かドラマティックになりました・・。
先日「おんなの駅」で海底に1年間熟成させた泡盛「珊瑚の海」を見かけました。
瓶には、貝やサンゴが付着して、海底遺跡のような姿をしています。
そんな風情があってSUMI10は、得難い仕上がりになりました。
時間の経過を楽しむ一枚に
植物化石のような魅力と海底に沈んでいたような色味と、何とも不思議な仕上がりなりました。
時間を経過した美しさを表現しているSUMI10は、風雨の中、海水をかぶった葉が作りだした偶然の産物なのかもしれません。